バカンス気分で読む、本と私と恋人と

小説

あらすじ (二見文庫 エミリー・ヘンリー 著 林啓恵 翻訳)

母亡きあと、妹のリビーの面倒を見るため、ノーラは文芸エージェントとして奮闘してきた。冷酷至極で無愛想でツンツンした仕事人間――周囲からはそう評価され、つき合う男性にはフラレてばかりだけど、すべては愛する妹のため。そんなある日、その妹が、三人目の子供を出産する前に休息したいと姉妹だけの田舎町へのバケーションを提案する。つい同意したものの、たどり着いた田舎町のカフェで出くわした男性の姿に声を失った。チャーリー・ラストラ! かつて本を売り込んだとき、剣もほろろに拒絶された相手。だが悪夢はそこで終わらず……

海外では絶大な人気を誇るロマンス小説作家、エミリー・ヘンリーの邦訳本。原作を英語で頑張って読もうと試したこともあるけれど、ロマンス小説といえども、この方、比喩や引用が多いから結構難しかった思い出が。だから翻訳ありがとうございます。

個人的に、出会ってすぐ一目惚れより、悪印象から好印象へみたいな方が好き。本作もライバルから恋人へのラブストーリー。どうでも良い人ってそもそも好きでも嫌いでもないけど、ライバルって好き嫌い感情の紙一重よね。だから海外でよく言う、Enemies to Lovers 、敵から恋人へ、ってやっぱりドキドキ感がある。

本作の主役2人は、年齢的にも環境的にもお互い背負っているものがあり、自分のことだけ考えて恋愛はできない。。。そのリアリティを上手く描きつつも、きちんとキュンキュンもさせてくれる。

ホットなシーンが盛りだくさんって訳じゃないけど、2人の関係の行方から目が離せないし、また恋愛だけでなく、2人の人生が前に一歩進んでいくのも良かった。この辺を上手く描くから、エミリー・ヘンリーはただのロマンス小説家ではないと言われるのかも。

会話の中でたくさん出てくる映画や小説のタイトルにもワクワク。海外のロマンス小説ってウィットに富んだ会話がお洒落すぎ。実生活の参考にもなるね?そして、本作はバカンス気分も味わえる!

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