あらすじ (永野水貴著・とよた瑣織イラスト・TOブックス)
妹の代わりに、毒に満ちた異界の番人となった元令嬢・ウィステリア。
ある日、空から初恋の人に瓜二つの男が現れる。名はロイド。
なんと彼女の初恋の人の息子だった!
まさにタイトル通りの展開。
好きな人が自分の妹を選び、しかも妹の代わりに生贄になってくれとか言われたら、普通に考えたら恨むよね、もちろん主人公もそういう気持ちにならなくはないんだけど、その辺の主人公の心の機微が丁寧に描かれていて、聖人でもなければ悪人でもなく至って普通の女性が強くなっていくのに共感しかなかった。
愛されてなかったわけじゃない、だけど家族にとっても好きな人にとっても自分は一番ではなかった、一番に守りたいのは妹だったというのが辛いよね。。。悪い人たちじゃない、愛してはくれていた、けど自分を選んでくれなかったって、どうよ複雑だよ。やっぱりさ、誰かの一番になりたいと思うじゃん。
異界でずっと孤独に生き延びてきた彼女の前に現れるのが、これまた好きだった人の息子ってことだから、、、より複雑に。(と言っても、異界で年取ってないから容姿の年齢差はなし) この息子、ロイドがね、容姿だけでなく性格もカッコいい!自分の中の芯がしっかりしてて、自分で経験して学んで考えてということがカッコ良くできちゃう。周りに流されない分、孤独感もあってそこがまた彼の魅力を際立たせている。父親と容姿は似ているけど、性格は似てなくて、ロイドだったら、父親と同じような選択はしなかっただろうなと。
そしてまた、サルティスという喋る聖剣が出てくるんだけど、このお方?も良い味を出している。口は悪く厳しいけど、主人公とずっと一緒にいてくれたサルティス。今後どう絡んでくるのかも気になる。
現在ラノベは6巻まで出ています。6巻からは舞台が変わり、登場人物も増えてきてより面白くなってきた。師弟関係だから、2人のラブシーンとかまだあんまないけど、想いあっているのがわかるセリフや行動がたくさんあって、体がよじれるほどキュンキュンする。別に禁断の恋とかではないんだろうけど、そういった雰囲気もあって、お願いだから2人が幸せになりますようにと本気で祈るレベル。
スッキリ復讐ものとかではなく、孤独な2人のラブストーリー。文章も美しく、異世界ものだけど想像しやすくて、ぐいぐい引き込まれるの間違いなし。
ラノベはそんなに読んだことない私だけど、これは、”このラノベがすごい2024”で1位になってたから読んでみたら大当たり!
漫画も出てます、4巻まで。内容の進み具合はラノベより全然遅いけど、絵は綺麗だし文章苦手な方はおすすめ。でもね、漫画でも小説でもどちらを先に読んでも、どっちも読みたくなるから、絶対。
続きが待ち遠しい。
コミック版 (家守まき著・永野水貴著・とよた瑣織著 コロナ・コミックス)
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